ポラロイドVSコダック特許訴訟

コラム概要
・ポラロイド社とコダック社がインスタントカメラ市場をめぐり特許訴訟を展開。
・このインスタントカメラ訴訟は特許権の威力を示す良いケース。

 ポラロイド社とは? 

・アメリカ合衆国に本拠を置くメーカー。
・撮影直後にその場で自動的に現像を行うインスタントカメラを世界で初めて販売した。

 コダック社とは? 

・アメリカ合衆国に本拠を置くかつては世界最大の写真用品メーカー。
・使い捨てカメラ(下記図)などで人気を博した。

<補足>
「インスタントカメラ」と「使い捨てカメラ」は異なるものとして表記している。
▶︎インスタントカメラ=撮影直後にその場で自動的に現像を行う。カメラは使い捨てではない。
▶︎使い捨てカメラ=写真を取るのみでその場で現像は行われない。カメラは使い捨て。

 ポラロイド社VSコダック社−特許訴訟の経緯− 

<経緯※1>
1.ポラロイド社が世界初の白黒インスタントカメラを販売(1948年)
2.ポラロイド社がカラー写真の開発に着手
→しかし、一部の材料で生産技術の目処が立たない
→業界最大手のコダック社がポラロイド社に技術支援
3.ポラロイド社が世界初のインスタントカラー写真を完成させる(1963年)
4.ポラロイド社がコダック社の成果を自社特許に不当に取り込む
→両者の関係が悪化
5.コダック社がインスタント写真事業に興味を持ち出す
→コダック社がインスタント写真の開発を本格的に開始する
→両者の関係が更に悪化
6.コダック社がインスタント用カメラとカラーフィルムを発売。
→コダック社がインスタント写真事業に参入(1976年)
7.ポラロイド社は自身の特許権を侵害されたとしてコダック社を相手に特許訴訟を提起(1976年)
8.約15年に及ぶ特許訴訟が和解で終結(1991年)
※1:高田俊二「写真のその場可視化」と画像コミュニケーションの内容を要約

 ポラロイド社VSコダック社−決着− 

ポラロイド社の勝利、コダック社の敗北で決着。
・コダック社は
▶︎約9億2500万ドル(約1200億円)の損害賠償金の支払い
▶︎工場閉鎖(約15億ドル=約2000億円)
▶︎4000人の解雇
▶︎1600万台のカメラ買い戻し(約5億ドル=約700億円)
▶︎インスタントカメラ市場から完全撤退
・ポラロイド社は約1200億円の損害賠償金を得る。一方コダック社は総額数千億円規模の損害を被る。

 その後 

・デジタルカメラの出現によりインスタント写真のマーケットは急激に縮小
→2001年にポラロイド社が経営破綻
→2012年にコダック社が経営破綻(2013年に規模を大幅縮小して再出発)

 まとめ 

・ポラロイド社は特許権を活用してコダック社のインスタントカメラ市場参入を阻止。利益を独占した。
(結果的にはデジタルカメラの出現で市場自体が無くなることになったが)
・特許権侵害の代償がここまで高額になることは極めて稀だが、特許権の威力を示す良いケース。

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